フューミング
先端に付いているのが純金、純銀の粒子
これらを使い透明のガラスに色づけを行っていく

ガラスの中に閉じ込められた、美しく透き通る模様。濁りの無い澄んだ青色や緑色。
吸い込まれそうになる世界が広がります。
それら全ての模様の色は、フューミングという技術によって着色されています。
フューミングとは無垢のホウケイ酸ガラスに純金と純銀を吹き付けてガラス内部に閉じ込めることで様々な色合いを発色させる着色技法です。
この技法はホウケイ酸ガラスを使ったガラス細工においてのみ用いられる着色技法で、川西硝子ではフューミングにこだわったガラス細工の制作をしています。
ガラスそのものの透明な美しさを生かしながら、澄んだ色合いを出せるよう試行錯誤し現在に至ります。
透明感のある緑や青白い色合いを出すことは、経験と技術が織りなす技の一つです。
光が入った瞬間、模様がふわりと浮かび上がり、本当の美しさを見せてくれる、そんなガラス細工を目指しています。

純金によるフューミングを行った作品
 
 
純銀によるフューミングを行った作品
 
 
純金と純銀を混ぜ合わせてフューミングを行った作品
 
 

カナダで最初にホウケイ酸ガラスによるガラス細工を目にしたとき、とにかくその不思議な色合いに引きつけられた事を良く覚えています。
その不思議な色合いは、金と銀のフューミングによるもの。
ガラスを始めてからこれまで、模様付けは色ガラスをほとんど使わずに制作してきました。色ガラスを使うのは必要最小限の部分にとどめ、無色透明なガラスをいかに美しい色合いに変化させられるか。人が目にしたときに美しい色とはどんな色なのか。
フューミングによって出せる色合いは思う以上に可能性が秘められているのではないか。そんな想いを抱きながら制作活動を行ってきました。

Green

一言に緑と言っても自然界には幾通りもの緑が存在しています。フューミングでもそんな様々な緑を表現したいのです。
ガラスならではの透明感を大切にした色が魅力。

黄色味がかった新緑の緑。
室内などの暗い場所でもはっきりとした発色をする黄緑色。
模様自体がくっきりしていている。
環境による色味の変化が強く、透かすとピンクに見える。

透明感のある青緑。
中心に向かって青味を帯びる少し淡い緑色。
見え方によって青にも緑にも、黄色にもピンクにも見える不思議な緑色。
初夏の森をイメージした緑。

非常に透明度の高い深緑。真夏の森をイメージした緑色。
光が入ると中心付近に青色が浮き上がる。
その場の環境による色合いの変化が最も大きい。
太陽光が入って初めて本当の美しさを見る事が出来る。

光の射さない場所では、緑色は落ち着いて見える。
一見、室内などの光の少ない場所で見ると地味な色合い。
緑と青のコラボレーション。
これは外で光が射してる時の写真。
ひとたび太陽光が差し込むと、美しい青緑の模様がペンダントの中に現れる。フューミングによって生み出される透明感の高い緑。人目を惹かない目立たなさのなかに、実は深く美しい緑を秘めている。
WhiteBlue

透き通るような青。海のイメージ。
光が入らないと美しい青は浮き出てこない。

乳白青。光の加減で青にも白にも見える。明るい所では中心部に青味が射す。
屋内でも屋外でも明るい印象の色合い。

新雪の様な濁りのない純白を追求。
どんな環境下においても最も変わらない色合い。

Pink

透明感を損なわない桜色のピンク。
細かい純金の粒子で着色したピンク色は光を通して映る影まで美しい。